【七月便り】バックナンバー 2001年  中埜有理(なかの ゆり)   2003年2002年2000年はこちら




七月便り 2001.1
12月の路上観察――暮れの町編  平民食堂。「テキにカツ」という古典的コピー。

テキかぁ……「敵は自分自身の中にあるのかも」などと思いました。 平民食堂は、残念ながら「ただいま休業中」

平民よ、プロレタリアよ、と拳かためて屹立せし、革命の20世紀よ、いざさらば



七月便り 2001.2
1月の路上観察――門司港編

「ささやかだけれど、大切なこと」シリーズの第4弾、『もっと幸せをつくろう』が出ました。リラックスした安らかな気分で毎日をおくれたらいいですよね。

 ところで、バナナを食べると気分が明るくなるって知ってました? カリウムだかなんだかの成分が鬱の気分をとりさってくれるんだそうです。
 バナナは皮をむくのも簡単だし、栄養もあるし、植物繊維も豊富なので、とくにお年寄りにはおススメの食品なんだって。  てなことを抜きにしても、私はバナナが大好き! 鮮やかな黄色を見るだけでもハッピーな気分になりませんか?

バナナの叩き売りに「発祥の地」があるなんてのも驚きですよね。場所は九州の門司港。


七月便り 2001.3
2月の路上観察――東京タワー編

東京生まれの東京育ち。郷土愛なんて自覚はないけど、東京は大好きだ。 東京タワーにもなんとなく愛着がある。それで、ある日のこと、散歩に行ってみた。 小学生のときに友達と遊びにきたし、そのあとも「東京おとぼけキャッツ」(ふるい!)のライブを東京タワーの展望台でやったときに来たことがある。
お土産屋さんに並んでいるのはあいかわらずキーホルダーとかスターのプロマイドとか、外国人向けの変なジャポネスク調だったりする。パリへ行ったとき、エッフェル塔をモチーフにした、安っぽいけどキッチュな、若い女の子が身に付けたらちょっとオシャレっぽいアクセサリーやTシャツがいっぱいあった。

東京タワーのお土産も、かわいくてセンスのあるものを考えたらいいのに。私が考えてあげてもいいぞ! 東京タワー型のキャップとか、ライトアップされたタワーを豆電球であらわしたTシャツなんかどう?
パリではエッフェル塔の形をしたピアスを買ったので、東京タワーでもそういうのがないかなと探しまわった。やっとのことでタワー型のイヤリングを見つけた(写 真下)。

ふだん、散歩のときはモノを買わないという原則なのだが、熱心に探してしまったことでもあるし、小さくてポケットに入るので、つい買ってしまった。500円なり。名古屋城へ行ったときも、金の鯱ほこの形をしたイヤリングを探したんだけど、さすがにそれはなかった。

I LOVE TKYTW(TKYTW=TOKYO TOWER の略ね)


七月便り 2001.4
路上観察と欲望の関係――ローバー・ミニ

このところ、欲しくてたまらないものがある。それがミニ。 路上観察しながらも、ミニを見かけると、ついつい物欲しげな視線に…… これがまた、近所でよく見かけるんだよね。散歩も落ち着いてできやしない。 こまった。

  だけど、もしも車を手に入れたら、こんどはウォーキングしながら路上観察というささやかな楽しみがなくなりそうだ。それもこまるな。


七月便り 2001.5
路上観察――おしゃれな東京

木場の東京都現代美術館へ行った。美術館って疲れるよね。喫茶店で一休み。窓の曲線がアートっぽい。
一見、人型ロボットのようだが、アート作品なので、歩いたり踊ったりはしない。ときどき、ピコピコと音がして胸に明かりがともるだけ。ロボットというより宇宙飛行士? 宇宙飛行士というより
麻布を歩いていたら、「TINTIN」(タンタン)の店があった。その壁にDOG STATION。犬をつなぐ輪っかというだけの話だけどオシャレ!


七月便り 2001.6
この咲き誇るバラ! ここは、リージェンツ・パーク? いいえ、じつは芝浦の浄水場にある公園。遠くに品川港南口の高層ビルがそびえている。
赤いバラの名は「希望」。薄紫のバラの名前は「Blue Moon」なーんてロマンチック!
石材屋さんの店の前にあった二ノ宮金次郎の像。ちょっと変? ミッキーマウスもかなり変だゾ。誰が買うのだ、これは?


七月便り 2001.7
代々木公園のエコライフ・フェアを覗いたら、テントのかげに着ぐるみの皮が捨ておいてあった。ディズニーランドじゃないんだから、いいけどね。着ぐるみのアルバイト、たしかに暑いだろーな。
自転車で旧湾岸道路を走っていたら、浄水場の壁に海の風景を発見。工事現場の囲いには、よくイラストや写 真が飾ってあるけど、このヨットの絵はとてもリアルでうまい! ながーい塀に海景がずっと広がっている。作者はだれ?
「私の愛車紹介 コーナー」

プジョーのマウンテンバイク──じつは借り物


七月便り 2001.8
路上観察――ウィンドウショッピング編

クラシックな玩具を扱うお店のウィンドウで見かけた「ブライス」。 カワイー! けど、ちょっとブキミー! その後、同じ道を通 ったら、お店がなくなっていた。幻のブライスー!
ついでに見つけたバービーのボーイフレンド「ケン」のドクター・バージョン。スチュワーデス・バービーと合コン……『大和撫子』US版?


七月便り 2001.9
路上観察――街角アート編

町を歩いていると、あちこちにアート作品を発見! さりげなくパブリックスペース(?)を飾るこれらのアートを街角アートと命名。

バイク屋さんのシャッターに描かれていた絵。ノー天気な笑顔がなんともいえないイイ味を出している。
ブルースブラザース。おしゃれだけど、上のエネルギーには負ける。街角アートの真髄はアマチュアっぽさと破天荒さ。
色彩の鮮やかさ、それに成り行きまかせの奔放さがすばらしい! 窓と窓のあいだを伸びてゆく蔓がシュールな雰囲気を出している。右上のピンクの猫(?)もフシギ。


七月便り 2001.10
路上観察――那覇編

イタリアン・レストランの壁。野菜や動物がイタリア料理を食べている? 共食いじゃないかー! タマネギの顔もよく見ると不気味。トマトやチキンはともかく、左側にキリンがいるよ? 右端の瞑想にふけるニンジン。
壁一杯に描かれた巨大な泡盛の壜。さすが、のんべえの国オキナワ。
喫茶店のガラス窓に書かれたTea、Coffee、そして左端に「じゅうしい」の文字。これはジュースではない。沖縄風「おじや」あるいは「雑炊」のこと。しかし、コーヒーとおじやが同居する喫茶店って……


七月便り 2001.11
路上観察――浅草編

浅草へ行ってきました。何年ぶり?

浅草といえば観光の目玉は雷門ですね。大きい提灯。なんとなくいい感じ。子供たちも記念写真。ピース!
アサヒビールのレストラン。金色のウ×コとも呼ばれている。作者の名前が出てこないな。忘れた。たしかスペイン人の建築家でしたよね? 私はこういうのわりと好きだナ。奥の四角い建物はジョッキに入ったビールを表現しているんだそうです。上の白い部分が泡。
このブタは、ロウでできた食品サンプル(本物そっくり!)を扱うお店のウィンドウにあったもの。かっぱ橋にて撮影。


七月便り 2001.12
路上観察――目黒編

林試の森公園って初めて行ってみたが、広々として、いろんな木がたくさんあって、とっても気持のいいところだった。背の高い木は見上げると首が痛くなるほど。土の道は歩いていてもクッションが効いて、いいですネ!
樹木の説明が書いてある案内板も充実している。「シナユリノキと普通 のユリノキを比較してみよう」という指示があったので、素直な私はさっそく比較してみた。シナユリノキの葉っぱのほうが大きい(一目瞭然とはこのこと)。葉っぱが半纏(はんてん)の形に似ているので、別 名ハンテンボクだって。でも、いまの子供は半纏なんて知らないんじゃないの?
「葉っぱ」つながりで歯医者さんの看板。おもしろいのは、上から読んでも下から読んでも「かしはしか」。「菓子は歯科」とも読めてナイス。でも、ほんとはカシバ歯科でした。