【七月便り】バックナンバー 2007年  中埜有理(なかの ゆり)   

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七月便り


中埜有理(2007.1.9更新)

路上観察――解体ショー

 ちょっと前のことなんだけど、那覇のスーパーで遭遇した光景。一瞬、ギョッとしちゃったよ。
 東京のスーパーではよく鮪の解体ショー(というか実演?)というのをやってるじゃない? それが、なんと豚です。豚の解体。といっても、皮をはいだり内臓を抜いたりするわけじゃなくて、部位を切り分けるだけ。
 それでもねー。爪先が見えますよ(右端に)。
 つい、あとずさったものの、値札を見て、また一歩前進。お安いんですもの。ヒレ肉一本300円くらいでチョーお買い得。ギョッとしたのも忘れて、つい買ってしまいましたとさ。
 それで、やがてはこのような缶詰になるわけだね。


(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.2.6更新)

路上観察――哀しきキャラクター

 

 ペコに罪はないのだ。胸をはって行こう。でも、左のペコはちょっと邪悪っぽいゾ。
 店の前にたたずむ犬一匹。こういうのを立ちずさんで、というのだろうか。
 商店街の街灯をかざるライト。著作権がどうなってるのか知りませんが、D社はうるさいよ。見つかると。

(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.3.3更新)

路上観察――異形のものたち

 

 ジンギスカン料理店、ゆきだるまの看板。キャラクターのゆきだるまはなかなか可愛いではないか。
と思ったら……のっぺらぼうの立体ゆきだるまはちと怖い。
 薬局の店内です。ごたごたと商品が置いてあるかげに……
 キャスパーか?

(なかの ゆり)




七月便り


中埜有理(2007.4.3更新)

路上観察――未体験の味

 

 世の中には美食珍味数々ありますが、身近にも食べたことがないものって、わりとある。
 鯛焼きというのは、形が日本的で「ステキ!」と思うのだけど、最近はめったに食べないな。
 ふだん、通っている道なのに、鯛焼き屋さんのメニューなんて、気がつかなかった。ふと目をとめると、このごろはコーヒークリーム味(皮にコーヒー味がついていて、中身がクリームらしい)や、小倉&クリームチーズなんてのがあるらしい。
 変わってるなー、と思いつつ、味を想像すると、それなりに美味しそう。食べ物や味覚って、融通がきくもんですね!
 もう一つ未体験なのは、佐世保バーガー。この店はいつも繁盛している。今度食べてみよう。
(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.5.8更新)

路上観察――ゆきだるま、ふたたび

 

 今年の3月にこの欄で紹介したジンギスカン料理屋「ゆきだるま」のゆきだるまが、なんと相撲取り(関取)になってしまいました。なんのこっちゃ? でも、そうなんです。
 中野部屋という相撲部屋になってしまいました。わけがわからない。
 ゆきだるま親方……事情をさぐるべく、ジンギスカン鍋を食べにいくべきか。
(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.6.2更新)

路上観察――ミー・ヘア


 最近、若い女の子のヘアスタイルで、頭のてっぺんにお団子をつくるのがはやってますよね? あれを見ると、『ムーミン』のミーを思い出します。
「ねえ、ムーミン、こっちむいて」のミーです。そういえば、ミーってどんなだっけ、とネットで探す前に、記憶だけで描いてみました。髪型は、てっぺんお団子なのよね。目が凶悪で、たしかワンピースを着ていたはず……と、こんなんできました。

 あとで、ネット検索してみたら、なんと予想以上に凶悪な顔つきでした! ムーミン公式サイト

 で、ふと空を見上げたら、ミーの髪型を連想させるボーリングのピンが。

(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.7.2更新)

路上観察――裏側



 書店で奇妙な物体を発見。輪郭を赤でなぞってみました。万歳? それとも天井を支えている? 外人ジェスチャーで「Oh……!」?
正面へ回ってみたら、週刊『日本の仏像』の販促、阿修羅像でした。実物大?

(なかの ゆり)




七月便り


中埜有理(2007.8.2更新)

空中観察――飛行船



 このごろ、飛行船型アドバルーンって、よく飛んでない? 窓から見上げたら、ぽっかり浮かんでいて、四角い空間とUFOみたいな葉巻型のとりあわせが面白く、デジカメでパチリ。

 アドバルーンという言葉、子供のころに覚えましたが、完全に日本語として覚えて、バルーンの意味も、アドの意味も知らなかった。アドのバルーンなのね、とようやく納得。

 昔はアドバルーンというと、ほとんど単純な球形だったけど、ネット検索すると、最近はいろんな形の変型アドバルーンがあって面白い。

(なかの ゆり)




七月便り


中埜有理(2007.9.3更新)

路上観察――初台にて


 私も人並みに美容院でヘアカット&カラリングをしますが、行き着けの美容院は初台にあります。山手通りはえんえんと工事中で、迷惑このうえないのですが、ちょうど初台のオペラシティ前では、高速道路との合流点ができつつあります。

 下に工事中の山手通り、その上にNTTビルとオペラシティをつなぐ屋根付歩道橋、さらにその上に首都高速の合流用ランプ、またその上にオペラシティとNTTビルがそびえたち、もしも江戸時代の人がここへタイムスリップしてきたら、この立体的な都市を見てどう思うんだろう。

 
 オペラシティの中に立つ彫刻の男性像。通行の激しいロビーに台座もなく、たたずんでいます。以外に邪魔ではないのが面白いところ。カメラが右肩下がりになっちゃってる。

(なかの ゆり)




七月便り


中埜有理(2007.10.3更新)

路上観察――昭和は遠くなりにけり


 商店街で見かけた「巴里洋品店」「洋品の巴里」「パリー洋品店」……たたずまいも、品揃えも、とてもパリとは思えない。たぶん、「パリー」がおしゃれだった時代に名づけられたのでしょうねー。


 ゴミ収集所に新潮社版の日本文学全集が捨ててありました! ショック。たしかに、文字も小さいし、古いし、捨てるしかないのかもしれないけど、箱入りですよ。全集ですよ。ゴミになってしまうのは、悲しいですね。よっぽど拾っていこうかと思いましたが、私はこの全集をすでに持っているので、そのままにしておきました。ちなみに、この全集には新進作家の短編を集めた1巻があるのですが、それに入っている作家も安部公房だったりします。昭和は遠くなりにけり。

(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.11.3更新)

卓上観察――フルーツだらけ


 だいぶ前に、江國香織がコラムで「私はフルーツタリアン」、つまり、ほぼフルーツだけしか食べない、と書いていて「けっ!」と思ったことがあるんですよ。なんだか少女趣味というか、そもそも果物って、お高いじゃないですか。
 食費を切り詰めている庶民にとっては、うらやましいとうか、ばかばかしいというか。まあ、一種の拒食症かもしれないけどね。
 んなことをいっていたくせに、ふと見ると、果物だらけじゃないの、うちの食卓。ちょっと大量に買いすぎだよね。いっしょうけんめい食べないと!

(なかの ゆり)






七月便り


中埜有理(2007.12.5更新)

路上観察――酉の市


 11月23日は酉の市でした。今年は二の酉まで。近所の大鳥神社へ行ってきました。 どれも同じような熊手ですが、お店によって微妙にディテールが違うのがおもしろい。飾り物は、鶴亀、千両箱、大判小判、米俵、松竹梅、打ち出の小槌、枡、笹の葉、おかめ……おめでたいものがてんこ盛り。人間の欲望って果てしないですね。
 素材やデザインが安っぽいのと、きんきらの電飾がキッチュで、屋台や見世物小屋のような胡散臭い雰囲気をかもしだしています。

(なかの ゆり)