【七月便り】バックナンバー 2016年  中埜有理(なかの ゆうり)   

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七月便り


中埜有理(2016.01.04..更新)

 

 神戸のルミナリエに行ってきた。阪神淡路大震災から20年。神戸の町もすっかりきれいになった。メリケン波止場のある神戸港にはメモリアルパークができていた。ルミナリエのブルーとグリーンの光は浮ついた感じがなくて、鎮魂のメッセージが伝わってくる。でも、点灯を待っているあいだ、寒かった〜!

   

 ポートアイランドにある「どうぶつ王国」へも行ってみた。いろんな動物やお花があったんだけど、気に入ったのはカピバラさん。亀といっしょにのんびりしていた。
 日光浴をするワオキツネザルがこんなポーズなのは、おなかになるべくたくさん日の光を浴びるためんだって。
 水辺にじっとたたずむハシビロコウは渋くてかっこいい。
 アルパカはかわいい顔をしいてるくせに、見物客が近寄ると「ぺっ」と唾を吐きかける。こまったヤツだ。

  
    


神戸へ行ったのは、知りあいのスポーツライター内田暁さんの出版記念会に出るためでもあった。内田さんがずっと前から取材してきた錦織圭選手のノンフィクション本『錦織圭 リターン・ゲーム』が出たのです。内田さんとは海外のテニス観戦で知りあい、パリではいっしょにご飯を食べたりもした。
 神戸在住の友達が内田さんを囲む会を企画してくれて、JR住吉のワインバーでこぢんまりした祝賀会。「錦織圭を鼻血が出るまで応援する」の有名なブロガー鼻血さんと内田さんの対談もあり、業界の裏話が聞けた。内田さんが女子として胸キュンとなる選手は「サフィン」、選手でとくに親しみやすいのは「アナ・イバノビッチ」だそうです。
 錦織さんに「本が11月11日に出版されます」と伝えたら、「ポッキーの日ですね」という返事だったそうです。いかにも錦織さんらしいそのセリフをサインといっしょに書いてくれました。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.02.03更新)

  
 

 オーストラリアのメルボルンへ行ってきた。オーストラリアについてはほとんど知識がないので、ガイドブックに載っている観光名所をかたっぱしから訪ねてきた。エウレカタワーという高層ビルの上にある展望台。壁からガラスの箱がせりだしてくるEDGE EXPERIENCEというのがある。高所恐怖症の人は苦手だろうが、せっかくだから体験してみようと順番を待っていたら、なんと機械の故障でキャンセルになってしまった! 突き出たまま戻れなかったりしたらイヤなので、まあいいか。

 SEA LIFE という有名な水族館にも行ってきた。体験型の展示で、水槽の下に潜り込んで、ドーム状の窓から眺められるようになっている。子供たちは大喜びだった。大きな水槽のトンネルをくぐるときには、頭上にエイや大きな魚が泳いでいくところが見える。熱帯雨林の再現や、最後にはペンギンの部屋もあった。なかなか楽しかったな。

 ヴィクトリアマーケットには肉・野菜・海産物、工芸品や衣類などあって退屈しない。生ガキを売っていて、その場で食べられるみたいだったけど、私はアレルギーで食べられない。市場はどこの国でも面白い。

 
  


 メルボルンにあるヴィクトリア州立図書館のドームの写真がすてきだったので、中に入ってみた。大きなドームの下に、中心から放射状にデスクが広がっている。周囲の壁に沿って書架が並んでいる。ガイドツアーもあるみたいだった。誰でも入れて見学ができる。図書館の一階にはbookshopがあった。図書館に書店って意外な組み合わせかもしれない。

 カールトン公園にあるメルボルン博物館は南半球最大の総合博物館なんだって。アボリジニの森が再現されているというので、行ってみた。アボリジニの歴史の展示もあった。世界的に先住民の歴史を尊重する流れがあるのに、日本はアイヌ民族を認めなかったりして、遅れてるんじゃないの? 写真はアボリジニ文化を象徴するインスタレーションで、森に対する思いをつづった文章のプレートがそれぞれの柱に貼ってある。

      
 

 メルボルン美術館にはアボリジニのアート作品も展示されていた。

 1920年代まで使われていたという監獄へも行った。自分で行きたいといったのに、いざ行ったら、なんだか陰鬱で、よく見ていられなかった。石造りで重厚だし、デスマスクや絞首台があってこわい。となりの建物では拘置所体験ツアーに参加させられた。名前や罪状を書いた紙を渡されて(英語)、看守の女性サージェントに順番に指名され、訊かれたことに答えなければいけない。「イエス、サージェント!」とはっきり答えないとやりなおしをさせられる。私の罪状は「ストーキング」だった! 

 メルボルンはカフェ文化が有名で、朝から営業しているおしゃれなカフェがたくさんある。今回も何軒か朝ごはんを食べに行った。メニューも豊富でおいしい。写真はアトランティック・エッグというメニューで、トーストの上にスモークサーモンとイクラとポーチドエッグが載っている。ほかにもフレンチトーストやエッグベネディクトなど、選ぶのに迷った。昔ながらのアーケードも装飾が美しく、雰囲気があった。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.03.02更新)




雛祭りのちらし寿司と
蛤のお吸い物
(文章とは関係ナシ)



 生まれて初めて整骨院というところへ行った。これまでマッサージやエステは行ったことがある……といってもほんの1、2回で、通院したことはない。人に体を触られるのが基本的に好きではないのだ。鍼も一回行って、好きになれず、それっきり。だいたい非科学的な感じがする(ああ、科学至上主義に毒されている!)。すごい偏見だとは思うが、鍼やマッサージって密室でおこなう一対一の施術だし、なんとなく胡散臭くないですか? 

 しかし、今回はいよいよ腱鞘炎かという心配があって整骨院へ行ってみたのだった。悪い癖だが、ベッドに寝ながらスマホを操作することがよくある。その日もそれをやっていたら、左手の親指がぴくっと痙攣して、それ以来、物をもったり、ひねったりすると痛い。ペットボトルのふたはふだんでもあけにくいのだが、ひねる動作をするとズキズキ痛むようになってしまった。寝ながらスマホには要注意ですぞ、みなさん。

 うちの近所には整骨院やマッサージや整体治療院がものすごくたくさんある。初めてなので、なにを規準にしたらいいのかわからない。どこにするか迷ったのだけど、ガラス張りで中がよく見えて、清潔そうなところにした。

 そこで腱鞘炎のテストというのをしたのだが、どうも腱鞘炎ではないらしい。ただ筋を痛めただけのようだ。早めに治療にきたのは正解だった、といわれた。以前、心臓の裏側に鋭い痛みが出て、息が苦しくなり、心筋梗塞かと疑ったのだが、内科で心電図をとったら心臓には異常なし。原因はわからないけど、自己判断で肋間神経痛じゃないかなといっていたのも、どうやら左側の肩甲骨が前に出すぎていて、背骨との間の筋肉に負担がかかっているせいらしい(という説明だが、ほんとかな?=疑りぶかい)。股関節を動かすストレッチをしてもらうと、体の左側に痛みが出る。そういえば、四十肩も左側だけだった。

 最近エアロビなどで肩回しのストレッチをしたら、バキバキ音がしていたので、体が固まっているのは自覚していた。毎日寝る前にお風呂に入らないと体が冷えてしようがない。寒いよね。

 そんなわけで10日ほど通っているのだが、整骨院という場所にいると、ほんとに老人になったような気分になるね。じっさい老人ではあるんだけどさ。

 心臓の裏側の刺すような痛みも腰痛も、みんな骨のゆがみのせいなのか。だとしたら、ストレッチ効果で痩せることも可能なのではないだろうか……と、一瞬期待を抱きかけたが、その期待ははかなくも消えた。施術してくれる若い男性整体師さんはとてもスリムとはいえない体型なのであった。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.04.07更新)

  

 沖縄のキャラクターあれこれ。
 「まじむん」は悪霊のこと。国際通りには吉本の劇場があるのだが、そのビルの前で遭遇。スマホで写真を撮ろうとしたら、どんどん近寄ってくるので全身像が撮れなかった。本部港の売店にあった「くるくるシーサー」。中身は焼き菓子。「たっちゅん」は伊江島のシンボル。大きな帽子がタッチューの形で、島の花であるユリがついている。背中には島ラッキョウをせおい、パンツは名産品であるピーナッツの形をしている。IE はインターネットエクスプローラーではなく、そのままイエと読む。

 


 辺野古テント村のシンボルはジュゴン。美しい海の象徴でもある。夜は栄町市場へ行った。路上に屋台が出ていて、客が行列で席があくのを待っている。そんな栄町の人気者、おばあラッパーズ。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.04.28更新)

  

春がきた。

 近所の新井薬師の境内で植木市。鮮やかな黄色や赤は気分をぱっと明るくしてくれる。
 同じく新井薬師境内の八重桜。濃いピンクがきれい。花の蜜を吸いにきた鳥。インコかな? 
 道端にも春真っ盛り。白い小さな花がきれいに盛り上がった雪柳の植え込み。

  


 沖縄滞在中の朝食。那覇では食品を余らせたくないので、最低限のものしか買わない。どうしても野菜不足になる。野菜を補うためにヨーグルトとトマトジュース。
 日がたつにつれて粗食になる。レタスが主体。チーズをのせたバゲット。フルーツパパイヤが気軽に買えるのはいいな。

 東京に帰ってきて、近くの空き地に咲いていたタンポポと綿毛。
 この空き地は中野区が地下駐輪場を作ることになっているんだけど、私の住んでいるアパートとの境に立っていて格好の目隠しになっている並木を伐採するという。変わりの木は植えず、2メートル程度のフェンスを建てる、と。あんなに背の高い木は植えられない、というのだ。それなら、最初から切らなければいいのに。いまある貴重な自然を壊してどうする! もったいないという気持ちはないのかしらね。中野区は東中野の線路沿いの桜並木も切ろうとするし、まったく困ったものです。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.05.25.更新)


マドリードの食卓
  

 今回の旅行は4人だったので、レストランに行くには最適の人数だった。あちこち行って名物を食べてきました。マドリードといえばマヨール広場のそばのサンミゲル市場が有名。フードコートのようになっていて、いろんなお店から買ってきて中央のイートインコーナーで食べられる。落ち着いて坐って食べることはできないけど、お手軽に多種類のものが味見できる。ラ・カニャ(生ビール)とコロッケ。紙袋に入っているのは小魚やイカげそのフライ。

 スペインといえば生ハム。有名なムセオ・デル・ハモンの二階にあるレストランで、生ハムとチーズのサラダ。中国からの観光客がガイドブック片手に大勢来ていた。そういえば、地下鉄のなかで、おばさんに「チノス(中国人)?」と訊かれた。「ソモス・ハポネサ」と答えたら、スペイン語で日本人のほうがお金持ちだとかなんとか言われた(らしい)ので、便利なお答え――「デペンデ!(場合による)」と答えておいた(笑)。じっさい、そうだしね。

 今回、値段が一番高かったのがこの海老カニの盛り合わせ。すごい大皿で、量はたっぷりだったけど4人でたいらげた。お湯の入ったフィンガーボールがついてきました。高いといっても、ワインやサングリアを入れて一人8000円くらいだけど。
  

 ピントがぼけていてすみません。スペインといえばパエリャ。グランビアにあるパエリャで有名なお店へ昼過ぎに予約なしで行ったら、いまは満席だが3時半なら予約できるという。それまでどうするか、美術館へ行ってそこのカフェで食べるか、それとも別の店に行こうかと4人でああだこうだ相談していたら、そのうち席があいたらしく、ウェイターに「どうぞ」と案内された。ラッキー! シーフードのパエリャ。できあがりを見せてくれて(撮影タイム!)、それから一人前ずつお皿に取り分けてくれる。

 パエリャと一緒に注文したスパニッシュオムレツ。名物ばかりよく食べたな。

 これもグランビアにあるタパスで有名なお店。ここも予約なしで行ったのだが、すいていてすぐに入れた。タパスのコースを頼んだ。35ユーロほどで、料理は多種類、味もよく、量もあり、コストパフォーマンス良好。コロッケとムール貝のグラタン。
  

 カナッペタイプのタパス。冷たいのと温かいのがある。

 もうそろそろコースも終盤かと思っていたら、どんと出されたフリッターの盛り合わせ。きびなごと白身魚とイカとウナギの稚魚(?) とても食べきれないので持ち帰りにしてもらった。ドギーバッグを作ってと英語で頼んだら、「パラ・ジェガール?(持ちかえり用?)」と聞きかえされ、ああそう言えばいいのかと納得したスペイン語初級の私。

 そして最後に出てきたのが、このデザート。アイスクリームに生クリーム(ナタ)とチョコレートソースがけ、苺やキウイー、黄桃やリンゴなど、フルーツがたっぷりのっている。4人前にしても量が多い。でも、「デザートは別腹」ということで、きれいに食べてしまった。
  

 典型的なスペインの朝食。カフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)とサンドイッチ(ハムとチーズ)、エンサイマーダ(右側の菓子パン)。ソル広場にある有名なお菓子屋マヨルキーナの二階のカフェで。ここにも大勢の観光客が来ていた(私たちもその仲間)。

 オリーブオイルとビネガーがテーブルに運ばれてくるので、サラダには自分で味を付ける。

 レストランではスペイン名物をいろいろ楽しむことができたが、テニス大会の会場内ではあまりおいしいものが食べられない。ある日のランチは奥がピザ、手前がイタリア風のパニーニ(具はローストチキン)。野菜が不足するね。

 最近はスペインでもおしゃれな店は一皿の量が少なくなっていて、ダイエットに気をつかうようになっているのだなと実感させられた。オーガニックの食材も増え、スーパーなどではグルテンフリーの食材も目についた。近代化は着々と進む。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.07.03.更新)


夏休み
  

 毎年、7月はじめに夏休みをとる。今回は沖縄の瀬長島にできた温泉ホテルに行ってみた。島といっても陸続きで、那覇空港を発着する飛行機が頭上を飛んでいくことで知られている。地元の人には釣りの場でもある。島の中央に小高い丘があって、そこには御嶽(うたき)とお墓があり、私有地だったので、以前はなかまで入れなかった。オフロードまがいのバイクが砂混じりの斜面をえぐったりしていた。ミニに乗っていたころは、家でお弁当を作って(定番はおにぎりと茹で卵←料理とはいえない)、ドライブして瀬長島の公園のベンチで食べ、海を見て帰ってくるということをよくしていた。ほんと、そのころは何もなかった。

 その瀬長島に温泉施設のあるホテルができたという。開業は2013年だそうだ。このところ、メンタル・フィジカル両面で疲れていたので、マッサージ付きのリラックス宿泊プランを選んだ。那覇からタクシーで10分くらい。写真左はホテルの遠景。丘のふもとには階段状の「うみかじテラス」という商業施設ができていて、レストランや土産物ショップが並んでいる。昔は何もなかったのになあ(こればっかり)。

 梅雨明けした沖縄はものすごく暑い。こんなに暑かったっけと思うほどだ。しかし、海と空はとてもきれい。雲が美しい。午後早めにいったら、チェックインは3時からというので、「うみかじテラス」を見てあるき、カフェでひとやすみ。写真右は「うみかじテラス」のようす。「うみかじ」とは海風のこと。

  

 チェックインして部屋に落ち着き、さっそく温泉でくつろいだ。海が見える立ち湯(立って入る)がすごく気持ちいい。いろいろなタイプのお風呂があり、沖縄の天然塩を使ったサウナや「あかすり」のサービスもある。もちろん、風呂場は撮影禁止なので写真はなし。

 おつまみ付きのプランということで、チーズやソーセージ、フルーツ、サラダなどののったプレートを部屋に届けてくれた。翌朝の朝食バイキングを見た感じでは、朝食の残りものみたいだった。残り物でもまったく問題なしだが。「うみかじテラス」で買ってきたオリオンビールといっしょにつまみながら、文庫本の小説を読み、眠くなったらうとうとする。最高の夏休みではないだろうか。

 西向きのホテルなので、日没がきれい。慶良間諸島がうっすらと見えて、空が鮮やかなオレンジ色に染まる。ニライカナイの伝説を思う。

   

 おつまみとビールのあとなので、夕食は軽く。ホテルのレストランで泡盛の水割りとジーマミ豆腐。

 メインはいらないな、と思って、おすすめの巻き寿司だけ注文したら、けっこう量があった。海老フライ(お頭付き!)ときゅうりと卵焼きとニンジンが巻いてあって、上にはトビコが散らしてあり、しかも金箔がふわふわと! 多すぎたので、半分は持参したタッパーに入れて部屋に持ち帰り、夜食にした(タッパー常備)。

 翌日はチェックアウトまでプールでくつろぐ。チェックアウトもサービスで12時に延長してくれたので、プールのあとは温泉で汗を流してのんびり。11時20分にチェックアウトし、11時半のシャトルバスでモノレールの赤嶺駅まで送ってもらった。さて、夏休みは終わった。

(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.08.03.更新)


   

金魚のポケモン(写真1)が、わがやの汚いキッチンにあらわれたところ(写真2)、『光車よ、まわれ!』(写真3)、ポケストップよ、まわれ!(写真4)

  世間ではポケモンGOに賛否両論――「侮蔑」されたり、ひんしゅくをかったり、「禁漁区」ができたり、いろいろな反応が見られます。ご存じないかたのために簡単にいうと、ポケモンGOとは街のいろんなところにあるポケストップ(ランドマーク)をめぐり、そこでモンスターを捕まえるための道具(ボール)をもらい、それを使ってモンスターをたくさん集め、育てて進化させたり、戦わせたりするというゲーム。

 歩きスマホがいかんとか、夜中に公園にたむろするとか、そういうのはゲームアプリが悪いのではなく、遊ぶ人たちの自覚のなさやマナー違反のせいであって、そんな人たちは往々にして、いつでもどこでも人の迷惑になるようなことをするんじゃないかな?

 それから、世の中には自分が知らないことで他人が楽しんでいるのにカチンとくる人も多いようです。「ポケモンけしからん」という人はコンピューターゲームなんてやったことがない人が多いのでは?

 かくいう私はポケモンGO、好きです。なぜなら、そもそも私は街歩きが好きだから。

 ウォーキングのついでに、街角の面白いものや変わったものを写メしていたのだから、ポケモンGOを楽しむのにぴったりといえましょう。私はモンスターをGETするより、むしろ町の片隅にある一見目立たないがよく見ると興味深いランドマークをめぐるほうに面白みを感じます。

 ところで、話はかわって、昔、詩人の天沢退二郎が子供向けの作品を書いたのを知っていますか? その本は『光車よ、まわれ!』

 初版は1973年に筑摩書房刊。私は大学を出たてのころにこの本を読んで、ものすごく感動したのです。でも、面白かったという記憶だけで、中身はすっかり忘れていたのだけど、2010年にポプラ社から文庫版で復刊されていることを知り、今回、ポケモンGOにつられて再読してみました。

 ポケモンGOで遊んでいると、この『光車よ、まわれ!』が思い出されてしかたがなかったからです。

 ストーリーは、悪の勢力に侵食されつつある世界を救うため、子供たちが町のどこかに隠れている光車を3個探しだし、それを使って悪者たちと戦うというもの。

 見慣れた日常のなかに異世界への入口があるというのは、まさにポケモンGOといっしょですよね。とくに気に入ったのはポケストップの丸い輪っかをくるくるまわすところ。『光車よ、まわれ!』のクライマックスはこんな感じ。

 ………………  

 そのとき、一郎のすぐわきから、龍子が手に長い鞭をもってへさきに立ちあがった。そしてずだぶくろから《光車》をひとつつかみだすと、あっというまにそれを宙へ投げ上げて、一郎がはじめてきく美しい張りつめた声で、

「《光車》よ、まわれ!」

と叫びながら、はげしく鞭をふるった。

 すると《光車》は、落ちるかわりに宙に浮かんでひゅるひゅるまわりはじめたのだ。それは太陽のように、火の玉のように、うすぐらくなったあたりをてらし出し、せりあがりかけていたガラスの街もぴたっと動きがとまった。

(中略)

 「《光車》よ、まわれ、まわれ!」  

 龍子が叫びながら鞭をふるった。  

 第三の《光車》もまわり出し、三つの《光車》は、生きもののよう燃えかがやいてまわりながら、空中ですーっとひとつにあわさった。

………………

 3つの光車は、信用組合の床下や棒杭の根っこや電話機のダイヤルに隠れていたのです。

 というわけで、ポケストップにくるたび、心のなかで「光車よ、まわれ!」と叫んでいる私なのでした。
(なかの ゆうり)










七月便り


中埜有理(2016.09.01.更新)


   


  神戸へ行ってきました。毎年恒例のテニス(観戦)友達が集まるオフ会で、ロジャー(フェデラー)の誕生月である8月に開催されます。

 あいかわらずポケモンGOで遊んでいますが、都会と地方のポケモン格差がはっきりと体験できました。上左の写真は新幹線で浜名湖を通過しているところ。ポケスポットは皆無です。ちゃんと湖の上を走っているのがすごいです。

湖を越えても、見渡すかぎりポケストップもジムもなし(上中央)。もちろんモンスターもいません。地方在住の人はポケモン集めにもなかなか苦労しているんでしょうね。

 昼過ぎについて、三宮のホテルにチェックインし、先行組がお茶しているというカフェ「にしむら北野店」へGO! 壁に蔦がからまって、室内もクラシックですてきでした。(上右)

 神戸はカフェ文化が栄えていて、ブランジュリーやコーヒーショップが多いですね。

 夜は、西神中央からタクシーで10分ほどの場所にある古民家レストランでオフ会。お店の女主人が熱烈なロジャーファンなのです。ローストビーフや焼き鳥など、山のようなごちそうとすばらしいケーキ、それにテニス話にどっぷりで盛り上がりました。

  


 翌日は朝食を食べにホテルに近いカフェ、コム・シノワへ(上左)。開店前から行列ができる人気店です。店内のイートインコーナーで食べる焼き立てパンがおいしい。

 昼は神戸在住の古い友人とランチの約束。パソコン通信時代からのつきあいです。案内してくれたのは北野の「フロインドリーブ」本店。ここも人気の高いお店で、整理券をもらってから椅子に坐ってしばらく待ちました。でも、おしゃべりしながら待っていたので苦にならず。

 建物はもと教会を改造したもので、よけいな装飾がなく、白い壁に木の梁だけで、とてもシンプル。天井が高くて開放感があり、その天井からさがるシャンデリアがアクセントになっています。(上中央)野菜サンドとアイス・カフェオレがとてもおいしかった。(上右)

 一階の売店でお土産に買ったサワーライブレッド、酸味が効いていて、固めの生地に噛み応えがあり、すごく気に入った。

 しかし、神戸はめちゃ暑かった! 行く前から風邪っぽかったんだけど、帰ったとたん夏風邪でダウンし、8月のほぼひと月間、ぐずぐずと体調不良のまま寝て過ごしたのでした。ようやく回復したところ。長かった。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.10.01..更新)


   


 北陸新幹線に初めて乗った! 何十年ぶりかの軽井沢。ぜんぜん記憶にありません。駅に降り立ったとたん、「涼しい!」……「食いしん坊」ご一行様、峠の釜めしに興味津々。そういえば、子供のころに家族旅行で、横川駅の峠の釜めし、買ってもらった記憶がある。瀬戸物でできた容器のお茶を知っている世代です(古っ!)。マンホールの蓋には浅間山と木立の風景。

  


 宿泊先のリゾートホテルの庭にたたずむあずまや。手前にはブロンズ製の鹿。じつはポケストップ。駅からホテルへ行く途中のカフェの門にいたロバ(ここもポケ……)。

  


 雲場池へ。曇り空だが、雨は降らず、緑がきれい。水量もたっぷりで、木々や草が瑞々しい。かわいい鴨もいた。ネジリバナやクリの実を見ながら池の周りを散策。もみじらしき木もいっぱいあったけど、まだ青い。

 雲場池から歩いて旧軽銀座へ。人出はまあまあ。でも、ランチは早めにとって正解。12時過ぎたら、レストランはどこも行列だった。フランス・ベーカリーで翌朝のパンを買う。

  


 ランチ後、万平ホテルをめざし、Google先生が教えてくれない道を歩いていったら、ひっそりと室生犀星記念館があった。ここで夏を過ごし、客間に友人たちが滞在したそうだ。ただし、母屋とつながっていない別棟の客間にはトイレなし。朴の木が2本あり、犀星はこの木が気に入ってここに家を建てたそうだ。庭の苔がすばらしい。

 万平ホテルに到着。ステンドグラスの亀を見よ、と言われていたので、ちゃんと振り返って見た。クラシックなホテルで、家具や食器もすてき。おなかはいっぱいだったけど、せっかくだから、喫茶室でお茶。
(なかの ゆうり)








七月便り


中埜有理(2016.11.02..更新)



   


 10月は年に一度の楽しみ、日本で開催されるテニスの国際大会、楽天ジャパンオープンがある。でも、今年はバブリンカも来ないし、ちょっとがっかり。しかたがないので食に走る。新宿にあるカフェ、行列ができるほど人気のある「サラべス」が出店していたので、食べてみました、エッグベネディクト。決勝の日に朝一で行ったら、ゆっくり座れた。テニスミュージアムにも行ってみた。ロランギャロスやウィンブルドンのミュージアムに比べると、泣きたくなるほどお粗末ではあるが、ウッドラケットや昔のトロフィー、テニスをテーマにしたイラストや昔の雑誌の表紙など、興味深く見ました。ラコステから贈られた写真(中)などもあった。右は『VOGUE』の表紙。


  


 練習中の選手に近寄れなくなってガッカリなところの多い楽天ジャパンオープン。錦織選手だけでチケットが売れるので、いろいろ努力を怠っていると思うよ。ダブルスの選手には近づけるので、イギリスのドミニク・イングロットさんを見つけ、イギリス国旗にサインをもらった(ミーハー)(右)。これも毎年10月初めに行なわれる文藝家協会主催の墓前祭へ行ってきた。バスの窓から見る富士山が大きい。お昼はしらす丼。


  


 久しぶりに友達を家に招いて宴会。スペインのカバを開けて、前菜の盛り合わせ、ポテト・ドーフィノワ、カボチャの煮もの、ホウレンソウのおひたし、お持たせのパン、チーズ、パテ、オーガニックの赤ワイン。なんか統一性のないメニューだけど、おいしい&楽しかった。上野のと美術館で開催中の『ゴッホとゴーギャン』展へ行ってきた。どっちかといえば、ゴーギャンよりゴッホが好き。

(なかの ゆうり)