七月便り 中埜有理(2013.1.08更新) |
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フィー子とボビの沖縄旅行
「お正月に沖縄へ行ってきたよ。今回はリエさんちのボビちゃんといっしょで。楽しいな、ルンルン」。県庁前のシーサーは定番の撮影スポット。乗っかられるシーサーにはいい迷惑かも。「家来なのだー!」フィー子、いい気になってます。(写真右上) 世界遺産の識名園へ。「もう、ヒカンザクラがちらほら咲いていたよ! おそろいの絞りの大振袖を着てるんだ。お着物を作ってくれたのは翻訳家の真利子さん。おじょうさまっぽいでしょ!」ここはテレビドラマ『テンペスト』のロケ地。主人公の真鶴(仲間由紀恵)と恋人が会う石の橋のたもとでパチリ。 「私が真鶴ね」 「私よ」 喧嘩…… 「翌日は南部観光に出かけて、がんがらーの谷を見学したよ。がんがらーの谷の入口には天然の鍾乳洞のなかにケーブ・カフェというのがある。天井のサンゴ石灰岩から水がぽたぽた垂れてくるの。おなかがすいたけど、食べるものはあんまりなかった(ぐっすん)。母神、父神、ランプをもって入る鍾乳洞、大きなガジュマル、見晴らしのいいツリー・テラス、湊川原人の発掘調査現場と、盛りだくさんなツアーだったよ」。大人2000円。フィー子とボビ(人形)は無料。 がんがらーの谷の見学を終えて、通りをはさんだ反対側のおきなわワールドでお昼を食べようと思ったら、もう午後3時になっていて、二階のバイキング・レストランはもうクローズしていた。一階のお店で沖縄そばと大東寿司のセット。大東寿司はカジキを漬けにしたものだが、写真を見て鮭と間違える人がいるらしく、英語で It's not salmon と注意書きがあった。「おなかすいたよ〜。カジキでもサーモンでもおいしければいいのだ!」 とはいえ、人形はそばで見ているだけなのであった。 首里城のそばのお店で食べた豆腐チャンプルー定食(写真右下)。ボリュームたっぷりだけど、ぺろっと全部食べてしまった。奥はゴーヤチャンプルー定食。白飯のかわりにジューシー(沖縄風炊き込みごはん)を選ぶこともできます。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.2.04更新) |
左が味噌だれ、右がポン酢 玉英堂の上生菓子 |
食卓観察――おいしいものと舞台
パテにマスタードとピクルス添え 真利子さんから温泉豆腐のもとを送ってもらった! 温泉豆腐とは、食用の重曹を入れたお湯(温泉のお湯)で豆腐を煮ると、とろとろに溶けておいしくなるという鍋料理で、嬉野温泉の名物なのだ。写真のように、温泉豆腐のもとと、豆腐一丁、味噌だれがセットになっている。豆腐大好きの私としては食べずばなるまい。味噌だれのほかに、ポン酢も用意した。九州土産の能古島産ポン酢「のこぽん」にもみじおろし。
作り方の指示どおりに土鍋で煮る。椎茸と水菜を加えてみた。出来上がりが写真下。おいしそう! 残りの白濁したつゆにご飯を入れておじやにして、溶き卵を加え、ポン酢で食べたらまたこれが美味。 1月は中野ZERO恒例の「能」があります。今年も行ってきた。お正月なのでおめでたい演目が並んでいる。 素謡 神歌 翁 遠藤六郎 千載 小島英明 舞囃子 高砂 八段之舞 住吉明神 観世喜正 狂言 末廣がり シテ(果報者)野村萬斎 アド(太郎冠者)石田幸雄 アド(すっぱ)深田博治 能 石橋 前シテ(老翁)・後ツレ(赤獅子)小島英明 後シテ(白獅子)観世喜正 ワキ(寂昭法師)森常好 アイ(仙人)深田博治 会場で和菓子を売っていたので、紅白の牡丹の花をかたどった生菓子を買った。ついでに浦霞の大吟醸もゲット…… 高砂は結婚式などのお祝いでうたわれますね。末廣がりもおめでたい。石橋は紅白の親子獅子が出てきて勢いよく舞う。舞台上には紅白の牡丹が飾られてとてもきれい。新春らしい華やかな舞台で満足! 翌日は、同じくZEROの小ホールへ落語を聴きにいった。年4回開かれる柳家三三さんの独演会。始まる前に中野のワインバーで軽く食事をした。初めて入った店だけど、ワイン1杯に、カウンターにずらっと並んだトレイから2品選んで1000円というお手頃なセットがGOOD! 赤ワインにパテ、タコのサラダ、春菊と里芋のグラタン、バゲットのチーズ焼きと計4品(2人だったので)をシェアした。味もなかなか。 この日の演目。 だくだく 桂三木男 しの字嫌い 柳家三三 三人無筆 柳家三三 仲入り 三味線栗毛 柳家三三 終わったあとで、さらに2人の友人と合流し、お茶を飲みつつ、「やっぱりライブよね〜」と話したのだった。そのとき、その場でしか出会えない芸というのはやはりいいね! (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.03.04更新) |
上野の冬牡丹。
上左の写真はなんだかわかる? とんがり帽子のような霜よけの藁囲いです。なかには大事に育てた大輪の冬牡丹が。上野寛永寺の冬牡丹を見に行ってきました。きれい! いろいろな銘がついて、赤白ピンク、たくさんの牡丹が咲いていました。 牡丹だけではなく、園内には馬酔木(あしび)の花も咲いていました。それから、春を告げる小さな黄色い福寿草も。 見上げれば、寛永寺の五重塔。五重塔といえば幸田露伴の小説を思い出します。露伴の五重塔は谷中が舞台です。世間ではあまり評価されない職人(大工)の技と誇りを描いた作品ですね。翻訳者も職人の一種だと思うので共感できます。 そして、茶店(サテンではなく、ちゃみせ)は閑散としていましたが、歩きつかれたので、お茶と大福餅をおやつに食べました。火鉢というのも最近見ていない。昔は家にもありましたが。よくお餅を焼いたり、焼きミカンを作ったりしたな。 冬の上野散策でした。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.04.04更新) |
3月のさくら
この3月は暖かかったですね。桜が早々に咲いて、もうすっかり散ってしまいました。今週あたりに予定されていた「中野桜まつり」は残念なことになりそうです。 上左の写真は、中野のご近所を散歩していたときに見た木蓮の木。きれいだった。 上中は、このあたりの桜の名所、中野水管理センターの桜並木。もと刑務所あとで、名残の煉瓦製の門も残っています。この時期は、水管理センターの敷地内もお花見のために解放されている。宴会はできないけどね。 右は、平和の森公園の枝垂れ桜。枝が四方に垂れていて、『十二国記』の生命をはぐくむ木を連想する。枝の下に潜り込むと、守ってくれそうだ。 その枝のなかに入ってみた。ピンクの花がきれい。 中野通りの桜並木も満開でみごとだった。ぶらぶらと歩きながら、夜桜を鑑賞。通りにならんだお店のネオンサインを受けて白く輝く。 そして、花より団子……ではなく、オリーブ。近所のスペイン料理店で一休み。 3月の花便りでした。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.05.06更新) |
4月のキッチン
気候がいいので(それに、仕事で行き詰ったこともあり)お料理にトライ。 友達のあいだでザワークラウト作りが流行に! みんながおいしそうな写真をアップするので、私もついつられてキャベツ一個を買ってきて、梅酒用のガラス壜で作った。大きなキャベツができあがると500gくらいに縮んでしまう。ソーセージと一緒に煮て食べた。うまい! チーズケーキを焼いた。一切れ切り取ったところは、昔のゲーム、パックマンみたい。レモンを効かせたので酸味があって、なかなかの出来。 蒲郡で買ってきたぺちゃんこのタコで、タコ飯を作った。前に日間賀島へ行ったとき、プレスにイカを通してぺちゃんこにする工程を見たことがあった。そのタコ版。ちゃんと足は八本だね。 水に浸けて戻すと柔らかくなり、お酒と醤油を加えて炊いたご飯はおいしかった。 行き詰っていた3ページほどをやっと終えた。これがいわゆるボトルネックってやつかね。ここを過ぎれば、あとは一気呵成に……と思ったが、そうはいかなかった。いくつもネックがあるみたい。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.06.03更新) |
オペラシティへ
5月某日、SNSの掲示板で、「午後2時までに初台のオペラハウスまで来られる人!」というお誘いがあり、「はい!」と手をあげて、ヴェルディのオペラ『ナブッコ』を見てきました。 会場に入ると、びっくり。え、劇場に来たつもりだけど、どこか別のところに迷い込んでしまった? というのも、舞台上にショッピングモールができていて、買い物客がショッピングバッグをもって歩きまわっている。エスカレーターまである! 古代ユダヤの宗教戦争を現代に置き換え、商業主義の神に仕える大衆と、そんな価値観をくつがえそうとするゲリラ戦になぞらえた寓話的な物語でした。 アップルを思わせるマーク(洋梨に噛み跡つき)のお店や、デザイナーブランドらしき店。そして偶像はキューピーの顔をもっている。 斬新な演出! ナブッコも迷彩柄の戦闘服を着ていてかっこいい。有名な合唱は聴きごたえがあり、しかも日本人は声質が均一なので、すばらしいハーモニー。とても楽しかった。 オペラシティの一階にブランジュリー、ル・パン・コティディアンができたと聞いたので、ついでに寄ってみました。前にパリへ行ったとき、滞在先のそばにこのお店があって、パンを買って食べたことがあります。写真左は、イートインで食べたチーズケーキとレモネード、右上にあるのはクッキーです。オートミールのクッキーがさくさくでおいしかった!写真右は店内のショーケース。 Quotidien(コティディアン)とはフランス語で「日常」とか「日々の」という意味で、トリビアとしてはテニス全仏オープンの会場で毎日配られる新聞もこの名前です。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.07.03更新) |
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『講談 日本通史』(大濱徹也著、同成社)を読んでいる。
この本によると、「初めて国を治めた大王」と呼ばれるのは神武天皇と崇神天皇の2人だという。神武は初代天皇、崇神は十代天皇だ。そして、現在の通説では、神武は存在しなかったことになっているらしい。 「中国の史書にならって『日本書紀』をつくるときに、日本の歴史を古くするために神武をつくった。……だから、神武というのは、記憶を生み出すための新しい物語としてつくられた存在であって、実在した日本の天皇として大和を中心とする支配をはじめたのは崇神ではないか、とされています」 よく、「歴史は勝者がつくる」というけど、歴史を疑わずに鵜呑みにしてはいけないね。 ――などと思って、ぼーっとテレビをみていたら、「相葉マナブ」という番組で、「大化の改新はなかった」というのをやっていた。 これもか。 聖徳太子はいなかったかもしれないんだって。聖徳太子がいなかったら『日出処の天子』はどうなる! さらに『講談 日本通史』を読み進める。 「平安時代の末期、平氏は福原(現在の神戸)に遷都しますが、彼らは大宰府にかえて福原に港を開き、宋との貿易を独占することによって力を蓄えようとします。このことからも、対外関係の独占が権力の掌握にいかに大きく関わるかをみてとることができます」 松ケンのNHK大河ドラマでやってたよね、福原遷都。 そこで、思う。マンガとかテレビって、大きな情報源になっているんだな。マンガやテレビだけで終わっちゃいけないけど、そこから歴史とか文化とか芸術とかに発展していく例はすごく多い。かたい歴史の本(「講談」とついているだけあって、一般向けの、そんなにむずかしくない本だけどね)を読みながらも、『日出処の天子』に出てくる聖徳太子の髪型や、松ケンの狂乱ぶりとかを思いだすのはなかなか楽しいものであるな、と改めて思ったのでした。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.08.03更新) |
ビール、ビール、ビール!!! 夏はやっぱりビールですね。「やっぱり」って、なにがやっぱりなんだかよくわかりませんが。iPhoneに入っているビール画像をひろいだしてみました。 なんと、夏じゃなくてもビールを飲んでいました。てへ(・.・;) 5月の連休に行った海辺の町の屋台ビール。休みの日の昼からの戸外ビールはさいこうっすね。 パリで飲んだフランスのビール1664、クローネンブルグのピルスナーでした。 ドイツの人気ビール、ベックス。ウェストファーレン地方のギリシャ料理屋で。 軽めのあっさりしたビールが好きなので、オリオンビールは大好きです。でも、なんといっても沖縄で飲まなくちゃね。 石垣島の地ビール、やっぱり軽めのヴァイツェンを注文。 いちばん最近、近所のスペインバルで飲んだのはクルスカンポ。味がないとまでいわれている(でも、そこが味わいだそうだ)軽いビール。おいしかった! そして、うちの近くに某有名ビール会社の本社が来たのです。その記念でノンアルコール発泡酒のキャンペーンをしていたので、買ってみました。うーん。味がいまいちでした。最初、半ダース買おうかと思ったんだけど、1本にしといて正解だったわ。やっぱりビールじゃなくっちゃ! (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.09.03更新) |
自転車とキンドル 誘われて『弱虫ペダル』の舞台を見てきた。同名の少年マンガが原作のミュージカルで、連載誌は「少年チャンピオン」。 明日、見にいくという日、原作を読んでいったほうがいいな、と思ったけど、すでに夜。本屋さんに行くひまがないので、キンドルで買ってみた。便利ね〜。家にいたまま本が買えてそのまま読書できる。まだ連載中で、コミックスは29巻まで出ているんだけど、10巻まで買って予習完了。 ところで、6〜7月はツール・ド・フランスがあった。続いてスペインを走るブエルタ・デ・エスパーニャが始まっている。どちらもiPhoneにアプリがあって、チームやライダー紹介、コースの案内、結果などが一目で見られて便利。 自転車競技はほとんど知らなかったんだけど、『弱虫ペダル』のおかげて、スプリンターとかクライマー、激坂なんて言葉も覚えたよ。 舞台では、手にハンドルだけもって自転車の走りを表現していたが、足のステップでいかにも自転車に乗ってる感じを出していた。しかし、つねに足を動かしていなくちゃいけないから、演者は大変だ。 観客はほぼ9割以上が女性で、常連らしき人も多く、チケット代はそんなに安くないから、経済力と行動力と情熱をこれに注いでいるんだなーとつくづく感心した。この女の子たちのイケメンにたいするエネルギーをなにかに転換できないものか……発電とか。(笑) (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.10.07更新) |
テニス選手イケメン図鑑(笑) 一年に一度、テニスのトッププロ選手が日本に来てくれる東京楽天OPEN、この期間だけ仕事を中断させてもらいます。一週間、観戦してきましたよ。 左から、ニコラス・アルマグロ(スペイン)、今トーナメントで大活躍して台風の目になった。ぴちぴちのプレイで準決勝まで進出。完全アウェイのなかでニシコリ君に勝った。試合中はガッツポーズ連発、何度も吠えて、エネルギッシュだった。本人いわく「寿司パワー」だそうだ。アレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)はお団子ヘアが特徴。初来日で、女性ファンに大人気だった。デルポトロ戦は負けてしまったけれど、スピーディかつユニークなプレイで観客を魅了した。オラシオ・セバジョス(アルゼンチン)はとても性格がよさそう。夜遅くまで練習していた。愛称タマちゃん。セバジョスという名前がタマネギを意味するところから、日本だけでの呼び名。 日本に何度も来てくれているピコ・モナコ(アルゼンチン)女性たちのあいだで絶大な人気を誇る。イケメンのうえに性格もよくて、みんなに親切。ルーカス・ラチコ(スロベキア)は予選で負けたのにラッキールーザーで本選イン、順々決勝まで勝ち上がった。愛称はラッコちゃん。ファン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)は今回アンディ・マリーが手術のために辞退したため、きゅうきょ参加、みごと優勝をはたした。 ジョー・ウィルフリード・ツォンガ(フランス)トップ選手の参加が少ない東京に来てくれた数少ないトップ10選手の一人。調子が悪く初戦敗退だったけど、よく来てくれました。私服はすごくおしゃれなの。フェリシアーノ・ロペス(スペイン)テニス界のイケメンといえばこの人、女性ファンの追っかけがすごい! ニシコリ君に負けてしまった。その錦織圭(日本)、精悍になってイケメン度が増したね。準々決勝で敗退、腰痛お大事に。 ケガで長いあいだ休んでいて、最近復帰したゲール・モンフィス(フランス)早々に負けたのに、ずっと居残り練習をしていた。練習さえもが面白い! ヤルコ・ニエミネン(フィンランド)も毎年東京に来てくれる。彼もファンが多くて、試合中は声援が飛ぶ。トリート・ユーイ(フィリピン)はダブルス専門の選手。ペアを組む選手がすごく大きいので小さく見えるが、身長は180pあるんだそうだ。切れのいいショットで見ごたえあり。 パブロ・クエバス(ウルグアイ)はアルマグロと組んでダブルスにも出場。アルヘンの選手たちとよく練習していた。マルコ・チウディネッリ(スイス)は楽天オープンの予選ではおなじみの顔。日本では人気が高く「マルコ・ガールズ」の一団が熱心な声援を送る。添田豪(日本)は初戦の相手がビッグサーバーのラオニッチ(カナダ)で、早々に敗退してしまった。来年2月のデ杯はカナダが相手なので、雪辱を期待する。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.11.03更新) |
秋の一日 この秋は、台風がいくつも来て雨が多かったですね。いつまでも暑い日がつづいて、ぐったり。でも、いつのまにか金木犀の花が満開になっていました。いい香り。夕焼けがとても見事だったので写真に撮ってみたけど、あの燃えるような色合いはなかなか捉えられない。 そんなある日、スペイン大使館へ行ってきました! 10月9日、日本スペイン交流400周年記念のピアノコンサート、お友達に誘ってもらって行ってきた。会場がスペイン大使館というのも魅力です。 赤坂のサントリーホールの裏手にあるスペイン大使館の中に入るのは初めて。真っ白な壁で、現代美術が飾ってあって、とてもモダン。夜だったので、もう暗くなっていてお庭が見えなかったのが残念。あとでスペイン語教室の先生に聞いたら、昔は木造で、すごーーーく古かったんだって。床がぎこぎこ鳴ったそうです。それで職員の愛想が悪くて、笑顔ひとつなく、書類を投げるように渡したとか。私が電話でコンサートのことを聞いたときは、若い男性の職員で、とても親切だったといったら、先生は、さすがに時代が変わったのねーといっていた。 作曲家で、ピアニストでもある川上ミネさんのオリジナル曲を聞いてきました。作曲者兼演奏者である川上さんの日本語とスペイン語による解説つきのコンサート。とても興味深く、楽しかった! プログラム 〈前半〉テーマ「侍 支倉常長の大いなる旅」 1.月の浦 2.祭 3.グアダルキビール 4.エスピリトゥ 〈後半〉 テーマ「ピアニストの道はつづく」 1.道 2.コルドバの午後 3.モーツァルトソナタ ラテンバージョン 4.サンティアゴ・デ・コンポステラ 川上ミネさんはミュンヘンとマドリードで学び、そのあとキューバへ行ってラテン音楽に接し、現在はマドリッドと京都を行き来して活躍中。日本スペイン交流400年事業公式ピアニスト。 住んでいたり、訪ねたりした土地の〈音〉や〈空気〉を拾いあげ、そこから曲の発想を得るそうで、たとえばコルドバには長く住んでいて、川沿いをよく散歩したとか。巡礼で有名なサンティアゴ・デ・コンポステラには特別なエスピリトゥがあるとか。キューバ人がモーツァルトを弾くとどうなるか、なんて話も実演つきで笑えた。 支倉常長の訪欧団の末裔が住み着いたといわれているスペインのある村には「ハポン」という姓の人がいるそうです。祭には日本風のメロディとスペインの伝統的な音階がまじりあって、支倉の時代の旅のあれこれが連想できました。 オリジナル曲なので、間違えて弾いても自分以外はほとんど誰にもわからないので気が楽だ、とか。演奏の順番はこのプログラム通りではなく、前後入れ替えがあって、演奏のたびにその曲にまつわる話や解説がある。ユーモアたっぷりで、すてきな女性です。スペイン大使のお話も聞けたし、なかなか珍しい経験でした。 (なかの ゆり) |
七月便り 中埜有理(2013.12.03更新) |
忙中閑有 近所の魚屋でサザエを見つけたので、買ってきた。サザエ好きなんだよね。焼いて醤油を垂らして食べました。しっぽ(キモ)まで、うまく引っ張りだせたよ。このキモがまた旨い! 日本酒は浦霞大吟醸。余は満足じゃ。 近所の公演にクリスマス・イルミネーション登場。木の枝には赤いランプがぶら下がっていてきれい。四角いランプシェードがすてきだな。よく意味がわからないお姫様たちの行列もあった。 25日までは、クリスマス・ムード一色、その後はお正月。この時期、あまり好きじゃない。家族愛がむやみやたらと強調されるせいか? いや、大掃除やおせち料理作りがいやだってだけかもね。街に出ず、テレビを見ず、家にこもっていればいいんだけど。 (なかの ゆり) |